貝新の志ぐれ煮

「志ぐれ煮」とは、江戸時代から桑名で親しまれてきた蛤(はまぐり)の煮付けのこと。採れたての貝をひとつひとつむいて水でよく洗い、生姜の風味を効かせて茹で上げ、秘伝の「たまり醤油」を使った「浮し煮」によって炊き上げます。
貝新の「志ぐれ煮」は、昔ながらの伝統的な製法を守り、新鮮な素材の味を引き立たせた名産品です。

三百年以上続くたまり醤油貝新だまり

「志ぐれ煮」の独特な風味と味わいを決めるのが「たまり醤油」。三重県北勢地方独特の製法によるもので、濃厚な味わいが特色です。 貝新では、良質な大豆を使用し、昔ながらの醸造法で仕込から2年以上かけて搾り出した、独自の「貝新だまり」を使用。釜に残った煮汁は大切にとっておき、そこに新しいたまり醤油を足していきます。
伝統の技術で、どこまでも貝の風味を逃がさないように、細心の注意を払って製造しております。

ふっくらと煮上げる独特の製法浮かし煮

醤油がなくなるまで煮詰める佃煮とは異なり、「志ぐれ煮」はたっぷりとした「たまり醤油」をハソリ(大鍋)で沸騰させて、その中で半時間位煮たてます。
鍋に蛤を入れるときの火加減と貝の散らし方が、職人の腕のみせどころ。
この「浮かし煮」と呼ばれる製法こそ、一般の佃煮とは違って、「志ぐれ煮」がふっくらと柔らかく煮上がる所以です。